
本校プログレッシブ一貫コース(現:プログレッシブAP・プログレッシブ)から京都大学法学部に合格、この春から京都市左京区吉田本町にある「京都大学吉田キャンパス」に通う、竹内碧さんにインタビューしました。
滝二での生活
インタビュアー(以下 イ):京都大学を受験しようと考えたきっかけは何ですか?
竹内碧さん(以下 竹内):私の場合、受験に対しての目標であったり、進学先の決定であったり、そういったものが本当にギリギリだったんですね。本腰を入れるのが、他の人よりも遅かったんです。高3の4月ぐらいに、さすがに勉強しなきゃいけないなと今までやっていたゲームもやめたりだとか。もちろん、各種模試や共通テストなどの判定が良かったということもあるんですが、目指すなら高みを目指そう、行ける最高峰を目指そうという思いはありましたね。
イ:向学心にあふれていますね。
竹内:そんなことないですよ、近隣で行けたらいいなぁと思ったまでのことで。でも、私の京都大学進学の後押しをしてくれたのは、父と担任の先生でした。
イ:お父様は厳しかった?
竹内:一般的な「勉強しろよ」という感じでしたけどね、私自身がマイペースなもので。あ、でも、「実学は大切だ」という父の助言もあって、それで法学部を選んだというのはあります。私自身、文学や歴史にも興味があったものですから、進路に迷ったこともあったのですが、父の意見は後押しになったと思います。

イ:担任の先生はどうですか?
竹内:良い意味で、私の個性を信頼してくれていたというか。滝二は進学校ですから「もっと頑張れ!」「寝る間も惜しんで勉強しろ!」という指導なのかと思っていたら、先生方はとても個性を尊重してくれて。もし熱血指導をされていたら、京都大学にはいなかったかもしれませんね(笑)
イ:なるほど、竹内さんの特性を分かって対応してくれた。
竹内:そもそも、よく1日のうち勉強時間が何時間と言うじゃないですか。
イ:えぇ、よく言いますね。
竹内:私は「量より質」の考え方なんで。たとえば夏季休暇などの学習時間だけで言ったら、他の人と比べても圧倒的に少ない。でも時間に縛られるのは嫌で。学習そのものは確実に進んでいく、出来るぶん、自分のペースで成長していく。性分なんですけど、そんな感じです。
イ:マイペースが持ち味なんですね。滝二での部活動や学校生活はどうでしたか?
竹内:いやぁ、どうでしたって語れるほどのことやってないんですよ(笑)部活動も幽霊部員でしたしね、授業を受けて帰って、友達と遊ぶ、ゲームする。そう考えると、自由でしたね。私は、中学2年生まで特進一貫コース(現:エキスパート)で、中3からプログレにコース変更したんですよ。
イ:そうだったんですね。コース変更ってちょっと決断いりますよね。
竹内:人間関係を一から構築していく必要がありますしね。でも、この時、ちょうどコロナの時で。夏くらいに「※蒼弓祭」なんかもあって。
※コロナ禍で滝二祭が開催できず、代替の文化祭を中学校で企画したことがあった
イ:なるほど、その時期でしたか。
竹内:その間にみんなが仲が深まるのが遅くなったんで、私も人間関係を作っていけたという側面はありますね。私視点ですが、コース変更後もクラスが平和でしてね、えぇと、東京科学大学に進学したKくんという仲のいい友達もできて。滝二在学中のエピソードで言うと、高校の研修旅行(修学旅行)でシンガポールに行ったんですが、だいたい、そういうときのエピソードって、観光地での出来事であったり海外でのやり取りだと思うんですね。もちろん、それも思い出深いんですが、僕はKくんとのホテルでの出来事が楽しくて。
イ:仲の良い友達と過ごす楽しみ。
竹内:そうですね、ホテルの部屋で私が持ってきたカップラーメンを食べたんですけど、箸をもらい忘れてしまって。私とKくんは、備え付けの部屋の歯ブラシでラーメン食べたんですよ(笑)
イ:歯ブラシで!それは……青春の一ページですよね!
竹内:くだらないエピソードですよね(笑)しかし、今でも思い出すくらい楽しかったんですよ。私、たとえば、滝二祭のときに1日目で熱出したりとか、体育祭も運動苦手なんで、あまり思い出がないんです。でも、そうだなぁ、友達に恵まれたというのは、自分にとって滝二に来た一番の財産だと思いますね。
イ:「友達が財産」っていいですね。ちょっと話が変わりますが、滝二での授業の思い出はありますか?
竹内:私、世界史が好きで、いえ、大好きだったので、M先生やT先生に教えていただいて。先生によって違いはあるんですが、授業も、授業にまつわる雑談も面白かったです。メリハリのある授業が毎回楽しみでしたね。

イ:滝二に入学して、そして卒業して、改めて滝二でよかったと思いますか?
竹内:めちゃくちゃ良かったです!
イ:お!嬉しいですね!
竹内:そもそも中学受験専門塾に通っていたわけではなくて、塾の先生に勧められて滝二を受験したんですよ。実際入ってみて、中高一貫で高校受験がないというのもよかったし、違う学校に行っていたら、同じ人生はなかったと思います。今、妹が公立高校を受験すると言ってるんですが、その学校は結構先生が一律的に「勉強しろ」っていう学校らしいんですね。
イ:個性を見てくれない。
竹内:それが良いって人もいるとは思うんですが、私はまったく合わないですね。管理する先生方ばかりだったら、私は潰れていたと思います。個人を見て、私自身に「任せてくれた」、良い距離感で見守ってくれて、アドバイスが欲しいときには、きちんとフォローしてくれる、この信頼関係が嬉しかったです。
イ:なるほど、自分という人と向き合ってくれる先生方だったんですね。竹内さん、受験期についての思い出はありますか?
竹内:そうですね、私は運が良かったと思うんです。共通テストのときも含めて、いつも読めなかった国語が、二次試験の本番でやっと読めて理解できたというのもありますし。運も実力と言いますけど、頑張ってきてよかったと思います。
イ:学習のモチベーションの上げ方はどうしていましたか?
竹内:「もう、ここで諦めたら、今までやってたものがなくなっちゃう」だから最後までやり通すという、かなり無理やりなモチベーションの上げ方をしていましたね。8割義務感(笑)それでいて、睡眠時間は10時間とってました。
イ:受験期に10時間!?
竹内:はい、毎日10時間ちゃんと寝てコンディションを整えて。最終段階で、勉強時間だけ見ていく学習がしんどくなったというのもあるんですよね。
イ:先ほど、「量より質」の考え方だとおっしゃっていました。受験生の中には、一日数時間しか寝ずに勉強したと自慢する人もいますが。
竹内:あれ、良くないですよね(笑)何時間勉強したとかいうのが、質の方をないがしろにしてしまうと思って、それは絶対避けたかったんですよ。
イ:それが結果的に、自分のペースを形作った。
竹内:そうですね。あ、だから、これも驚かれるんですけどね、共通テストの勉強についてなんですが。
イ:あー、それは聞いてみたい話題でした。どのように勉強していたんですか?
竹内:私は、二次試験対策などの重い勉強のあとで、共通テスト対策の勉強をしていました。いわゆる休憩代わりにやるというか。
イ:休憩代わりに勉強!?
竹内:休憩代わりにやらないと二次が重すぎるんですよ。暗記系の科目って本を読むとか口に出すとか、そういう学習しかなくて、めちゃくちゃ頭を使うというものではないと思っていて。その科目の戦い方があるんで、そこは上手く頭の休憩に、共通テスト対策をしていましたね。
イ:学ぶということにも、自分のスタイルを取り入れているんですね。
京都大学での生活


イ:それでは、京都大学で取材していることですし、大学生活についてお聞きしますね。まずは、授業について、どのような雰囲気ですか。
竹内:そうですね、今はまだ、学校に授業行って、それで帰ってアルバイト行って、寝て…といった感じですね。教養科目については別にそこまで難しくないんですが、専門科目はさすがに内容が難しくて、先生が話している内容を理解するのが大変です。今日も1限から「法学入門」の授業を受けてきたんですよ。
イ:「法学入門」は、どのような内容を勉強するのですか?
竹内:今は「司法手続き」について学んでいますね、訴訟の手順であるとか、制度的な内容を中心に学んでいるという感じですね。
イ:なるほど、学んでみて法律の世界に進もうという思いは強くなった?
竹内:まだ全然決まってないんですけどね。この夏の試験で手ごたえを感じたら、法曹界に進むか考えたいと思っています。成績次第のところはあると思いますね、法科大学院に進むにも知識や学力が必要ですからね。
(ここで竹内さんは身を乗り出して)あのー、本当のところを話していいですか?
イ:あ、どうぞどうぞ。
竹内:父に実学に進むことを押されて法学部に入ったんですが、気持ちの面では、私、文学部に進みたかったんですよ。
イ:そうなんですか!
竹内:ですから、今、文学部で学んでいる方々を見ていると、めちゃくちゃ楽しそうで(笑)文学部って私の好きな歴史系もあるんですね。就職だとか将来のことを考えて法学部に入ったんで、悔いがあるとかそういうのではないんですが、やはりちょっとうらやましいですよね。もちろん、法律を学ぶのも楽しいです。今、学んでいるのが「離婚」だとかそのジャンルというのもあるんですが、そういった民法よりは、私個人は刑法・司法の方が合っているのかもしれないですね。

イ:法学といっても学ぶ分野がさまざまあるのですね。まもなく夏休みに入りますが、何か大学生としてやってみたいことはありますか?
竹内:実は私、滋賀県より東に行ったことがなくて。
イ:ほー!そうなんですね!
竹内:ですから、せっかく大学生になって、バイトもしていることだし、まとまった休みが出来たら、一人で旅行したいと考えているんです。
イ:どこか行きたいところは?
竹内:北海道ですね。
イ:北海道、それはまたどうして?
竹内:ちょっと言語化が難しいんですが、北海道にはあれだけの土地ですから、広さならでは事柄や、独特の行政などもあると思うんですね。そういう意味で、夕張や芦別などに行ってみたいなぁと。そうですね、海外だと、中国に行きたいですね、世界史が好きなものですから、咸陽や洛陽だとか。それに、イランにも行ってみたいんですが・・・今の情勢では難しいかな。
イ:現在、中東情勢(2026年現在)は注目されています。
竹内:今、注目されている場所というよりは、自分が注目したところにトピックがあるという感じですね。イランだと古代ペルシャ帝国の遺跡も見学したいです。かつて「世界の半分」と謳われた都市イスファハーンなど巡って、繁栄を極めたペルシア王朝の遺跡に行ってみたいです。
イ:竹内さんの歴史分野への興味は、やはり滝二での授業が影響していますか?
竹内:そうですね、とにかく滝二の授業は面白かったんですよ。私の学びの根本的なところなんですが、「面白ければなんでもいい」というところがあるんですね。好奇心の軸というか原動力というか、「面白い」か「楽(らく)」かで言ったら、「面白い」を取るんですよ。もちろん、やらなきゃいけないことはやります。やった上で、楽しむ感じですね。

イ:しっかりとしたこだわりがありますね。
竹内:こだわり、そうですね。京都大学って、ある意味「変人」が多くて、先輩たちも変わっているんですけど、あるジャンルにおいてプロフェッショナルであったり、造詣が深かったりするんですよ。自分に正直にありのままで楽しく、学問的に高度なことにチャレンジする、これが京都大学の学生生活の醍醐味なんだと思います。
イ:お話を聞いていると、竹内さんはなるべくして京都大学生になられた気がします。それでは最後に、これから竹内さんが学んでみたい内容を教えてください。
竹内:法学部なんだから、法律のことを言えばいいとは思うんですが(笑)純粋に興味がある分野で言うと、私は、そうですねぇ、「ラテンアメリカ近現代史」について調べて追究していきたいです。
イ:「ラテンアメリカ近現代史」、それは何故ですか?
竹内:教科書にもあまり書かれていないというか、日本語文献があまりないので、だからこそ自分で調べてみたいと思うんですよ。学びの未開、知られていないからこそ調べたいという思いがあります。
イ:竹内さんは心から「研究者」という雰囲気、考え方をお持ちですね。これからも頑張ってください!
竹内:ありがとうございます!
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